イベントのすし詰め状態を通り越し やっと昨日、ビジュアルデザイン科2年生
の中間報告会も無事終了。いよいよ来週はビジュアルデザイン3年生の
卒業制作合評会となります。
この隙間 ふと本校の横を流れる旭川に出てみました。
猛暑の夏がまるで嘘だったかのような 秋を飛び越しての初冬の寒さ。
寒風の中、本校の傍らを流れる岡山三大河川の一つ 旭川には透き通った水が流れていました。
こんな光の中にいるとデスクと教室ば〜っかり見ていた自分が嫌になる。
光と言えば 世界中にいまだにファンが多い 印象派の画家達の作品が
頭に浮かびます。
印象派とは19〜20世紀初頭の美術運動です。
印象派の画家クロード•モネ エドガー•ドガ ポール•セザンヌなど
もしかして名前を知っている人もいるかも知れませんね。
上記の画家達は 自然の中の光 をとても上手く表現することでそれまでの
絵画の世界を変えました。
自然の中には様々な光があって 多種多様な色がある。自然の中にある色を思う存分絵画の中に
塗り込んでいったのが印象派の画家達です。
そして印象派の絵画の裏には、実は大きな技術進歩が隠されています。
それは、チューブ入りの絵の具の発明。1840年にチューブ入り絵の具が開発されるまで
画家達は自分のアトリエで絵の具を調合しつくっていました。
しかし、アトリエでつくられた絵の具は屋外へ持ち出す事が出来ません。
結果、画家達が作画するのは自分達のアトリエの中 屋内空間に限られていました。
しかし、ヨーロッパの産業発達が進む中、屋外に持ち出せるチューブ入りの絵の具が
開発され 画家達は屋外に出て絵を描くことが可能になりました。
そこで彼らが目にしたのは溢れんばかりの光と色でした。
自然の中で目にした生々しい色彩は画家の感性にインスピレーションを与え美術の世界を一変
させました。
そしてもう一つ 印象派の運動に重要なのはがカメラの発達です。
印象派以前の リアリズム重視 写実主義の絵画は 現実をそのまま「写実的」に
写し取る絵画でした。しかし、本物そっくりに表現することが中心の肖像画などは
その頃発達していた写真に取ってかわられつつありました。
肖像画を描くよりも写真の方がスピードも早くし上がります。
画家達の仕事量に影響が出始め従来の表現方法では失業してしまう。
そこで、画家達は写真には表現できない 光のゆらぎ 移り変わり 温かみや
雰囲気を画の中に表現していきました。
写真には、表現できない世界を絵画で表現する。
印象派誕生の裏にはそんな背景があったんですね。
でもな〜、この季節の屋外スケッチは風邪引きます。