最近学生からあるマンガを借りて読みました。
NHKでアニメーションもやっている「ジャイアントキリング」。
知ってますか?
学生から「ジャイアントキリング」というマンガは面白い!と聞いたときは
タイトルから連想し、「でっかい殺し... 紛争とか戦争とか、そういう争いごとの
ストーリーなのか?」
と思いました。
まあ面白いんなら...と借りて読んでみると サッカーのマンガ。
今5巻くらいまで読んだのですが、これがなかなか面白い。
なにがそんなに面白いのかというと、子供のころ
僕たちが見ていたスポーツマンガと全く違うストーリー構造を
持っているからです。
具体的に言うと物語の語り手の視点が違うわけです。
私が子供の頃よく見たスポーツマンガは誰の視点で描かれるかというと
基本的にはプレイヤーなわけです。
そう、プレイヤーが主人公。
「巨人の星」(野球)「タイガーマスク」(プロレス)「キャプテン翼」(サッカー)
「アタックナンバーワン」(バレーボール)「エースをねらえ」(テニス)
競技がなんであれ全て選手が主人公 選手の視点で描かれています。
プレイヤーである主人公が強敵に もしくは逆境に 努力し 時には必殺技を編み出し 打ち勝ち、
乗り越えて行く。
これがいままでのスポーツマンガの定番 盛り上がり 基本的な構造だったと思います。
しかし、この「ジャイアントキリング」はサッカーチームの「監督」の視点で描かれています。
主人公は選手ではなく監督なのです。
さて、ここでタイトルの「ジャイアントキリング」の意味を解説します。
直訳すると「でっかい殺し」 これじゃなんだかきな臭いタイトルですが
これはスポーツ用語で「力の弱いチームが 強いチームを打ち負かす」
意味なんだそうです。
な〜るほど 聞いてみると納得。
そして、この物語では、監督である主人公、逹海が弱小チームを
マネージメントし、対戦相手である強豪チームを分析し、1個人プレイヤーの
ポテンシャルではなく、チームの総合力と作戦力で勝っていく。
(私が読んだ5巻までの印象で恐縮ですが...)つまりこのマンガのメッセージは
なにかというと弱小チームが強豪チームを打ち負かすのは、、、
「ジャイアントキリング」を起こすには「チームの総合力とそれを
引き出すマネジメント」が必要不可欠だということなのです。
これが、私が知っている以前のスポーツマンガとは決定的に違う
そして面白いところです。
で、で、ふと気がついたのですが、マンガ以外の分野でも
同じ様な現象が起きているんですね。
例えば、映画化もされたライトノベル「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
『マネジメント』を読んだら」。これなんか典型的です。主人公川島みなみという野球素人の
マネージャーがチームをビジネスマネジメントの応用で勝利に導いて行く。
さらに、ハリウッド映画にも!
ブラッドピット主演の「マネーボール」ですね。
実際にあった話をベースにした大リーグの映画です。
私が以前住んでいたアメリカ カリフォリニア州の野球チームオークランドA'S。
このチームは予算がない
お金がないわけです。なのでいい選手も獲得できない。
そんなチームをブラッドピット扮するマネージャーが
作戦の力で勝利を導きだす。
今は、「チーム力」「作戦力」「マネジメント力」が注目される時代なんですね〜。
これは学生がチームを組んで岡山城の前広場の芝生をキャンドルでデザイン
する官学共同の企画なのですが、個人のデザイン力よりもチームの総合力が
試される場です。
インテリアプロダクト科の学生達がチームで挑みました。
「ワンデーエクササイズ」とは都市計画を立て、プレゼンテーションをするコンテストです。
結果として本校は最優秀賞と優秀賞をとれたのですが、これもチームの力が発揮された
からだと思います
ならないですね。チームとしてショーを作り上げないといけない。
はじまりますが、制作展となると全体の展覧会の印象が大切です。
学校にいると感じるのですが、学生個人のポテンシャルを上げるのも大切ですが、
やっぱり 一緒に学ぶクラスメイトや学校の仲間とどれだけ手を組めるかが
大きく結果を変えるような気がします。
もちろん、実際やってみると難しい。自分で決めて、自分でやって、
失敗しても自分の責任。これは、わかりやすくシンプルなのですが、
いざ他の人と組んでみると単純にはいかないことってありますよね。
でも、だからこそこの学校でそのような場を体験するのが
大切なんだな〜と感じる今日この頃です。